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2006年03月31日

無料体験できるビジネス。

とりあえず資料請求。

資料請求だけ。

もちろん無料です。

そうして、無料体験していませんか?

聞いたことありますか?

 在宅ビジネスの無料体験ですよ?

大歓迎です!

私たちはマスコミから取材が殺到しています。

マスコミからナンバー1だと理解していただいております。

理解していただける方と私たちは一緒に歩んでいきたいです。

私たちは決して無理にお誘いはいたしません。

あなたがすべて決めてください。

あなたの人生ですから。

私は決断して良かったと心の底から思っています。

資料請求だけ・・

大歓迎です!

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posted by もも at 22:22| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月28日

どうぞ、比較してみてください。

ビッグタイムグループからの緊急告知
在宅ワークはまだ始めるな!

なんで?

とにかくお読みください。

在宅ワーク系の同業他社さんの情報をお知らせいたします。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが参考にしてください。

なんでそんなことを教えるんだ?

そう思う方もいらっしゃる方もいるかもしれません。

なぜか?

あなたに同業他社さんとビッグタイムを比較していただきたいんです。

そのうえで判断していただければ幸いでございます。

あなたの目で耳で頭で判断してください。

1、http://www.excite.co.jp/ こちらで、「在宅ワーク 」と入れて検索してださい。

2、検索結果のスポンサーリンクの一番下の赤いJワードのマークをご覧くだい。
(在宅ワーク に関する企業のサイト、人気サイトを表示します )と表示があります。

その上の「在宅ワーク」という文字をクリックしてください。
※このJワードは審査があるので優良企業しか登録できません。

3、同業他社トップクラスの

ヴィヴさん

ハーバライフさん

サンヨーメガさん

サクセスドリームさん

の宣伝用URLが同時に見れます。

もちろんビッグタイムも審査を通過して登録済みです。

※こちらから是非、資料請求してお話を聞いてみたらいかがでしょうか?

<最後に>

検索をするのが面倒だという方に下記に他社さんの宣伝用URLをお知らせいたします。

ハーバライフさん
http://a-soho.main.jp/hp/k/

ヴィヴさん
http://trump2.main.jp/009620/5/

サンヨーメガさん
http://tuki2.com/kyo-do/?ID=34&p=11

サクセスドリームさん
http://next.main.jp/bsc00/

あなたに最高に適した在宅ワークが見つかるのをビッグタイムグループスタッフ一同、心よりお祈りいします。

お読みいただきましてありがとうございました。

(注意:この情報はビッグタイムグループが提供しております)

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posted by もも at 19:11| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月10日

第45章

元哉の店の前。

白いスーツに身を包んだ未来。

薄い微笑を浮かべてガラスの扉を押し開く。

「いらっしゃいませ」

店内に数人の来店を迎える声が響く。

「いらっしゃいませ。初めてのお客様ですね?」

顧客係りの飯田が声を掛ける。

「ええ。通り掛かったら、雰囲気が良さそうなので、お世話になろうと思って」

「ありがとうございます。本日は、どうされますか?」

「軽くカットと、あと、トリートメントを」

「かしこまりました。ではお荷物をお預かりいたします。
そして、こちらの用紙にお客様のお名前とご住所など、お気に障らない部分で結構ですので
ご記入ください。」

未来はバッグとストールを預け、カウンターで綺麗な文字で自分の情報を書いていく。

「ここは指名とかあるの?」

「いえ。特には決めておりませんが、何度かいらっしゃってみて、その中でお客様の
お好みの技術者がお決まりになりましたら、ご遠慮なく仰ってください」

「そう。店長はどなた?」

「はい。右の一番奥で、今お客様のお相手をしております。
お知り合いですか?」

「いいえ。できれば最初なので店長にお願いしたいのだけれども。ダメかしら?」

「少しお待ちいただくことになりますが、お時間はいかがでしょうか?」

「ええ。構いません。」

「かしこまりました。今お飲み物をお持ちいたしますので、そちらのソファのお掛けになっておまちください」

未来は雑誌を手に取り、ソファに腰掛けると本の隙間から、そっと、元哉を盗み見る。




今朝早く、成美の新しい恋人の情報が手に入ったばかり。

もう何年も懇意にしている探偵社は久々に、新しい情報を届けにきた。

未来は成美を傷つけたいとは、思わないが長年の習慣から、ここに座っている。

自分がバカらしくもあり、理解できなかった。

自分の道が決まらないもどかしさで、昨日あんなにも優しい子だと感じた成美の

新恋人を偵察にきている。

私は・・・どうすればいいのだろう・・・

未来は外の街路樹に眼を移す。



しばらくすると、元哉が未来の側に歩いてくる気配で顔を向けた。

「いらっしゃいませ。初めてでございますね?こちらへどうぞ。」

にこやかに接客しながら、元哉もまた、気持ちがざわついていた。

昨夜聞いた、成美の異母姉妹。

確かに端正な顔立ちと、優雅な身のこなし。

成美から聞いていたとおりの女性だと思う。

どんな目的でここに来たのかは定かではないが、今はただ、これからの固定客にできるか

どうかだけを考えることにした。

自分もこの世界のプロなのだから。



ブラジで未来の髪を梳いていく。

「お客様。トリートメントをご希望のようですが、本日は必要ないと思われます。
とても手入れが行き届いていますよ。よろしければカットだけでいかがでしょうか?」

「そう。ご親切に。ではそうしてください。お任せするわ」

「かしこまりました」


目の前の大きな鏡の中で、元哉と未来の視線が重なり合う。
posted by もも at 14:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 夕暮れの間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第44章

成美が、暖簾をくぐると、元哉は日本酒を飲みながら揚げたての天ぷらに舌鼓を打っていた。

「ごめんね。遅くなりました」

「いえ、いえ、こちらこそ、お先に。日本酒飲める?」

「うん。少しなら」

二人で今日、2度目の乾杯。

野菜や、新鮮な車えびの天ぷらは、抹茶の入った塩や岩塩をつけて食べる。

「美味しいぃ!」

成美は、心の底から、そう思った。

元哉と一緒に食べているだけで、成美には満足なのだ。



二人とも、空腹を満たし、酒の酔いも手伝って、他愛のない、普通の恋人同士のような

会話を楽しんだ。

お気に入りの映画や音楽のこと。

旅行したことのある、海外の話も。


ふと、時計を見ると、もう11時近い。

「元哉さん。明日仕事でしょ?時間大丈夫?」

「ああ、もうこんな時間なんだ。そろそろ引き上げようか」

会計を済ませると、二人は部屋に戻った。

部屋に中は、冷えたミネラルウオーターとシャンパン。

フルーツのトレイ。それに、ランの花がテーブルを飾っていた。


「どう?こんなの。気障かな?」

「ううん。ちょっと、感激。元哉さん慣れてるんだあ?」

「まさか!初めてだよ。だいたいついさっきまで、オカマだったんだから。」

成美は、涙がでるほど笑った。

悲しいことや、辛いことで流す涙とはまるっきり、種類の違う涙。

いつも、こんな涙なら・・・・


元哉が先にシャワーを浴び、次に成美が自らの身体をお湯に晒した。

化粧も落とし、髪も洗い。

新しい自分になるために。


バスローブを纏って、部屋に戻ると、元哉が尋ねてくる。

「シャンパン飲む?」

「ううん。ミネラルにする。」

冷えた水は、成美の身体の隅々まで、いきわたる。

どちらからともなく、身体を寄せ合う二人。

短い夜が始まっていた。

成美は元哉を隅々まで、知り尽くす。

元哉は成美を隅々まで、探し出す。

二人の世界。

二人は、何をその眼の中に刻んだのだろうか。

ここから、新しい、関係がまた始まる。




テレビの音に目覚めると、元哉が身支度を整えていた。

「ごめん。起こしちゃった?」

「ううん。平気。もう時間?」

頬にキスをしながら。

「残念ながら。どうする?一緒に出る?」

「うん。5分で支度するわ、時間は大丈夫?間に合う?」

「15分くらいまでなら」

「OK!」

成美は勢いよくベッドから飛び起きると、洗面所へ行き、服を着ながら、歯を磨いた。

まるで、中学生か高校生の時みたいに。


「お待たせ!」

「7分で支度できるの?」

「ああ!2分オーバー!残念」

二人は朝から大笑いしながら、初めての夜を封印した。

車で家の前まで、送ってもらう。

車内で、また小さなキスを交わす。

「仕事が片付いたら、電話するから」

「待ってる」

元哉の車が見えなくなるまで、路上で見送る成美。

ふうと、おおきなため息をつくと、マンションに入っていく。

自分で玄関の鍵を開けて、部屋に入る。

コーヒーのいい香りが漂ってくる。

「ただいまぁ」

成美の機嫌のいい声を聞いて、胸を撫で下ろす母。

「お帰りなさい。コーヒー飲む?朝食は?」

「う〜ん。もちろんいただきます。」

母の安堵の声に成美も気をよくして、答える。

「食べながらでも構わないから、昨日の事、話してくれる?」

成美は、笑いながら頷く。

母には、隠し事をすることなく、全て話す。

自分が新しい恋人に守られていることも。

母は、ひとつひとつに、頷きながら時々目を細めて、成美の話を聞いていた。

「あなた達を、祝福するわ。未来さんの事はどうするの?」

「どうするも何も、私からは何もできないわ。彼女次第ね。でも、安心してて。

私は、強くなったの。元哉さんのおかげでね。愛は強しよ!」

「あらあら、ごちそうさま。今度紹介してちょうだいよ?どんなにいい男か判断してあげてよ?」

つい昨日まで元哉がオカマだったことだけは、話していなかった。

話すなら、元哉の口からのほうがいいと判断したからだ。

「いいわよ?あまりに素敵で卒倒しないでね?」

その素敵な彼氏の店の前に、未来が立っているなんて、夢にも思わない成美。
posted by もも at 14:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 夕暮れの間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月09日

実績bP ビジネス

一日あたり191円でリッチになる方法があるのをご存知ですか?

専任スタッフがどんな質問にもお答えします。

もちろん少々の努力も必要ですよ。

そして度胸が必要です。

度胸のない方は成功できません。

そうゆう方はいつも、躊躇うからです。

いつも、いつも、躊躇うのでなにも変わらないのです。

まず自分が変わらなければ、なにも変わらない。

それが理解できる方。

躊躇うのに疲れて自己嫌悪になっている方。

是非、私たちと一緒にがんばりましょう!

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posted by もも at 15:27| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月07日

第43章

元哉の腕の中で、思う存分泣きながら、成美は自分がいかに恵まれているかを痛感していた。

こんなに安心して、自分を曝け出すことができる相手がいる。

未来には、まだ当分そんな相手はできないのかもしれない。

彼女自身が、他人を信じないかぎり・・・


元哉の指が成美の顎を上に向ける。

そこには、慈愛に満ちた光を持つ、二つの瞳がある。

「私、元哉さんを愛してるわ。」

「まだ、数えるほどしか会ってないのに?」

「時間なんか関係ないのよ。一目惚れだもの」

元哉は今度は自分の膝の上に成美を抱きかかえるようにして、顔を覗き込む。

「明日からは、普通の男として、また新しい1歩を踏み出すことにする。
愛しい成美のために」

「無理しないで。私は、今のままの元哉さんでいいの。元哉さんであればいいの。」

元哉は首を横に振ると。

「そういうわけにはいかない。男としての責任を果たす勇気がなければ、女性を抱くことは
僕には出来ない」

「それで・・・構わないの?」

「こんなにも一生懸命、自分を頼ってくれる娘を目の前にしたら、後には引けない。
僕が君を守るから」

成美は、歓喜で身体が震えるのを感じた。

それから、二人は永いキスをした。

たとえ未来が成美から元哉を奪おうとしたら、どんなことをしても、未来と闘おう。

成美は、元哉の腕の中で、そう決心した。


もちろん。

できれば、闘うことなく、未来にも真の愛を見つけて欲しいと願う気持ちのほうが、

勝っている。

それでも、今のままの未来なら誰かを傷つけることで、自分の価値を見出しているような

ことは、止められないだろう。

そして、その一番の標的が自分であることも、成美は承知している。

故に、決意は固めなければならない。

それがまた、妙に悲しい。

姉妹なのに・・・

成美の泣きはらした目が、戻る頃、

「部屋ではなく、下の和食を食べに行かない?てんぷらが美味しいんだ。どう?」

「ええ。行く。なんか、お腹空いちゃった。あ、その前に母に連絡しとくわ。
たぶん、心配してるから。」

「なら。今夜は泊まるって、付け加えて。僕は、先に行ってるから、ちゃんと話をして。」

「・・・ええ。」

成美は今になって恥ずかしくなってきた。

なんて、大胆なことをしたんだろう。

愛する男には、大胆になれる自分を再認識した思いである。

母には、未来との事は無事に済んだこと。

未来を憐れんでいること。

そして、今恋人と一緒であること。

今夜は帰らないこと。を告げた。

母は驚いているようだった。

「あなた、いつそんな人と・・」

「くわしい事は明日帰ってから話すわ。とりあえず、連絡だけ。ごめんね。じゃ。」

成美は電話を切ると、元哉と食事をするため、化粧を軽く直して、ホテルの部屋を後にした
posted by もも at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 夕暮れの間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第42章

車は静かに街中中を走り抜ける。

微かに、ショパンがBGMで流れている。

成美は運転している元哉の横顔に視線を移すと、黙って眺めた。

「顔に何かついてる?」

元哉が照れながら、尋ねてくる。

「ううん。ただ、いい横顔だなあ。と思って。感心して見てたの。」

「え?横顔だけ?」

軽い笑い声が、車内に響く。



眼の端に、飛行機の尾翼が見えてきた。

元哉は東急ホテルの駐車場に車を入れると、運転席から降り、

助手席のドアを開ける。

「さあ、とりあえず、なにか飲みましょうか?バーがいい?それとも部屋で?」

「部屋で」

「かしこまりました。お嬢様」

元哉は成美と腕を組むと、上手にエスコートしながらホテルのフロントまで

歩き出す。



部屋をリザーブすると、二人は6階のエレベーターボタンを押した。

「元哉さんの部屋でもよかったのに・・・」

「あそこじゃあ、電話が鳴ったり、宅配便が届いたりするかもしれないから」

成美は、心の中で元哉の神経の細やかさに感謝した。


部屋に入るとすぐに元哉はルームサービスを頼む。

成美は、窓から、飛行機の離発着を眺めていた。

成美が話すまで、元哉から何か聞いてくる気配はない。

チャイムが鳴り、注文の品々が届けられた。

「まずは、再会を祝して、乾杯しようか。」

元哉の提案に成美は、顔をほころばせて、うなずく。

白いワイン。

イタリアワインのソアベ。

辛口で飲みやすいワイン。

乾杯を済ますと成美はポツリポツリと、未来との事を話し始めた。

元哉はただ黙って聞いている。

いつかと同じ光景。

大方話終わると、成美は、ワインを一口で開けた。

2杯目のワインも。立て続けに開けた。

「無茶な飲み方は、悪酔いの元だよ。時間はあるんだから、もう少し
ゆっくり飲みなさい。」

またグラスに伸びた成美の手を軽く押さえて、元哉が諭す。

「はい。チーズでも食べる。」

元哉から差し出されたのは、クリームチーズのようだった。

成美はそれを自分の手を使わずに、元哉の手から直接口を開けて食べた。

「甘えん坊?それとも、面倒くさいの?」

元哉が半分あきれて言う。

「両方」

成美はまた、話し始める。

未来の顔を思い浮かべながら。

自然と涙が滲んでくる。

話の途中で、成美は

「ねえ。元哉さん。今日は、男友達として、私を抱いてくれる?」

唐突な質問に、元哉は、左の眉を微かに上げて

「そういうの。好きじゃないんだけど」

成美は、焦った。

元哉に軽蔑された?

違うのただ、わたしは・・・

言葉にならない声を飲み込む。

「自分を貶めてどうする気?成美ちゃんらしくないと思うけど」

「違う!貶めてるわけじゃない!ただ、ぬくもりが欲しいの!
それも元哉さんのじゃなきゃ、ダメなの!イヤなの!」

抱きつこうとした、成美の手を軽くかわして、元哉が続ける。

「ぬくもりが欲しいのは、あなた?それとも未来?」

「?・・・・両方・・・」

「ごめんだわね。そんなの。知りもしない未来を抱いたりできない」

「そうよね・・・確かに。どうかしてるわ・・・ごめんなさい。
さあ!飲みましょう!食べましょう!?」

成美は涙を拭うと、明るい声で高らかに言った。

元哉の腕が伸びた、成美を抱くすくめる。

「今は・・・未来のことは忘れなさい。私・・・いいえ、僕だけを見て」

成美はまた涙を流し、元哉の胸に顔をうずめた。
posted by もも at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 夕暮れの間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月06日

第41章

「もしもし。成美ちゃん?」

元哉の声に胸を撫で下ろすと、成美は、いま自分がいる場所を告げた。

「そう・・・あと1時間位、時間つぶせる?そうしたら、車で迎えに行けるから」

「分かりました。じゃあ1時間後に元町で」

約束を交わして、携帯をバッグにしまうと、成美は駅に向った。

歩いて元町までいけない距離ではなかったが、一人で歩くのが怖かった。



他人とでも、触れ合える距離に身を置いておきたかった。

たくさんの人が行き交う駅で切符を買い、電車に滑り込む。

この中で、自分や未来のように尋常でない過去を背負っている人間が

どのくらい、いるのだろう。

ぼんやりと、男や女、若者や壮年の人の顔を見ながら、ふいに涙が出そうになる

自分に気がついて、驚いた。

泣きたいのは、自分ではない。

未来なのだろうに・・・・

成美に話をしたことで、彼女の心は少しでも軽くなったのだろうか。

未来のあの後姿を思い浮かべて、成美は唇を噛んだ。


人混みに押されるように、目的の駅に降り立つ成美。

しばらく立ち止まって、ポツンと取り残されてから歩き出す。

改札を抜け、もうすっかり夕暮れから夜の香りに変化した街並みを

元町目指して、歩き出す。


ショーウィンドウには、色とりどりの雑貨や洋服、靴などが並ぶ。

でも、どれを見ていても、心が浮ついたりしない。

普段なら、欲しいものがありすぎて、食い入るように眺める大きなウィンドウも

今は成美を歓迎していないようである。




約束より少し早いけど、成美は待ち合わせの路肩に立った。

ヘッドライトの光が、次々と現れては、去っていく。

赤いテールランプも尾を引きながら、過ぎ去っていく。

急に、目の前に紺色のBNWが、滑るように止まった。

運転席のドアが開くと、中から元哉の姿が現れた。


「ごめんね。待った?さあ、乗って?」

元哉に促され、開かれた助手席のドアからシートに身体を預ける。

元哉が素早く運転席に戻ると

「どこか行きたい場所はある?お腹は?空いてない?」

「空いているのか、どうかもよく分からないの。静かなところがいいわ。

誰にも邪魔をされないような」

元哉は微笑んで頷くと、車を走らせた。

しばらく無言で、前だけをみている成美に

「やっぱり、何かあったみたいね。顔色が悪いわ」

「ごめんなさいね。いつも。何処へ向っているの?」

「羽田」
posted by もも at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 夕暮れの間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第40章

成美が、未来への返事に困っていることを悟った未来は。

「あなたに聞いたところで、どうにもならないことは、解っているのよ

ごめんね・・・困らせてしまったみたいで。

私ね。あの日から、友達がいないの。作ろうともしなかったし、それまでの

友達とは、疎遠になるように努めてきたの。私の中の狂気を悟られたくなくて。

仕事以外で、こんなにも人と話したの久しぶりよ。」


「淋しくはなかったんですか?」

「淋しいわよ。もちろん。今でも」

未来は、また煙草に火を付けた。

「また、会って、こうして一緒に食事してくれるかしら?」

未来は照れながら成美に尋ねた。

成美も、未来の申し出に瞬間的に応じた。

「でも、決して、姉とは思わないで頂戴。友達として。ね?」

「はい。」


ああ、この人は深い闇と迷路から出ようとしているわけではないのだ、と

成美は思った。

もがいているわけでもない。

戦うこともなく。いつか、完全に飲み込まれていくのを息を潜めて待っているように・・・




「それで、いいんですか?」

成美の悪い癖。

考えずに、言葉が先に出てしまう。


「何のこと?」

成美を見ず、未来が答える。

「未来さん。全てお見通しのはずなのに・・・私では役に立たないかもしれないけど。

なにか、手助けが・・・

出ましょうよ!迷路から。」


未来がゆっくりと視線を成美に移す。

「まだ、ダメよ。迷路の出口には、綺麗な泉が湧いているの。そこまで辿り着かないと、

それ以外は、ニセモノの出口だから。」

未来派は、煙草を一ひねりして消すと。

「今日は、本当にどうもありがとう。感謝しているわ。また来週、KINGでお会いしましょう」


それだけ言うと、成美を振り返ることなく、未来が立ち去ってゆく。

未来の後姿は、狂気を背負っているのだろうか。

成美は、瞬きもせず、その背中を見送っていたが、判らなかった。


成美も急いで、そこから立ち去った。

外気に触れ、一息つく。

潮風の立ち込める、夕暮れの間。

携帯を取り出すと、すぐに元哉に掛けた。

呼び出し音が、こんなに永いなんて・・・
posted by もも at 16:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 夕暮れの間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月01日

第39章

「それからね・・・私の世界観が変わったのは・・・

それまでは、キチンと躾をされて、大学にも行き、それなりの人と結婚して

家を守っていきたい・・・なんて、考えていたけれど・・・

私の身体の中には、あの父親の血が混ざっている。私は普通の幸せは望んではいけないと。」


「そんなことありません!それなら私だって。半分は同じ血を持っています。

でもそんなこと、関係ないですよ!」

「あなたは・・・母親が普通の、健全な女性だから・・私は、母でさえ狂気な人なのよ?

いつ、どこで自分が・・・・考えただけでも寒気がするわ」


成美は、未来の暗くて、深い心の闇を想像してみる。

ほんの一筋の光も見えない、遠くに水の音だけが聞こえてくるような、枯れ木の森。


「神田を誘惑したのも、私の中に眠る狂気の仕業。あなたと別れたことを知って、すぐよ」

思いがけず、神田の名前が出てきたことで、成美は暗い森から、生還した。

「いつから、私のことを知っていたんですか?」

「やはり、16歳のあの事件のすぐあとに。まだ中学生の腹違いの妹がいるって。

伯母様から。

伯母様は、あの事件の後も祖父達に懇願され、児玉の妻のままでいるわ。

家名も大切。それに政治家の妻ですから・・・耐えることしか許されない部分もあるみたい。

でも、さすがに夫とは思っていないみたいね。

単なる、生活共同体?とでも言うのかしら。

児玉が一日でも早く、この世から消え去ってくれることだけを楽しみにしているって、

笑っていたわ。お可哀想な伯母様。」

「どうしてその、光子さんは私の事を未来さんに?」

「私の味方がいれば・・・とでも思ったんじゃないかしら?

同じような境遇の・・・」

「知らないほうが良かったのですか?」

「さあ。今はまだ定かでないの。確かに、幸福そうなあなたを妬んで、別れた男を

誘ってみたり・・・あなたがKINGに来るって知った時は、小躍りしたわ。

でも、それがなんなのか見極められないのよ。」

未来の闇は暗いだけでなく、迷路にもなっているようだった。


「ねえ。成美さん。私どうしたらいいのかしら?」

泣いた後の赤い瞳と、アルコールに酔い始めた頬が成美を見つめる。

そんな答え、今出るはずがないでしょう!

そんな言葉を成美は、水と共に、喉の奥深く流し込んだ。

今にも崩れ、壊れそうな未来に伝えられる言葉を成美は知らない。
posted by もも at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語 夕暮れの間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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